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せいねん
青年
線上閱讀森 鴎外《青年(せいねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 頁
上草履を脱いで這入って見ると内外が障子で、内の障子から明りがさしている。国の内に昔お代官の泊った座敷というのがあって、あれがあんな風に出来ていた。なんというものだか知らない。仮りに書院造りの colonnade と名づけて置く。恒先生はだいぶお大名染みた事が好きであったと思う。
しづえが腰を屈めて、内の障子を一枚開けた。この間には微かな電燈が只一つ附けてあった。何も掛けてない、大きい衣桁が一つ置いてあるのが目に留まった。しづえは向うの唐紙の際へ行って、こん度は膝を衝いて、「いらっしゃいました」と云って、少し間を置いて唐紙を開けた。
己はとうとう奥さんに逢った。この第三の会見は、己が幾度か実現させまいと思って、未来へ押し遣るようにしていたのであったが、とうとう実現させてしまったのである。しかも自分が主動者になって。
「どうぞお這入り下さいまし、大変お久し振でございますね」と奥さんは云って、退紅色の粗い形の布団を掛けた置炬燵を脇へ押し遣って、桐の円火鉢の火を掻き起して、座敷の真ん中に鋪いてある、お嬢様の据わりそうな、紫縮緬の座布団の前に出した。炬燵の傍には天外の長者星が開けて伏せてあった。