輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

かぜのたより

風の便り

太宰 治

線上閱讀太宰 治《風の便り(かぜのたより)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,044 字 · 66 頁

青空文庫

君ほどの作家の小説には、成功も失敗も無いものです。

あの温泉宿の女中さん達は、自分の拝見したところに依ると、君をたいへん好いているようでしたね。けれども君の手紙に依れば、君は散々の恥辱を与えられたという事になって居りました。嘘ばかり言っている。君は、ことさらに自分を惨めに書く事を好むようですね。やめるがよい。貯金帳を縁の下に隠しているのと同じ心境ですよ。あの、蔵の中の娘さんとも、君は毎晩、散歩していたそうじゃないか。女中さん達が、そう言っていたぜ。キスくらいは、したんじゃないか。なるほど、君たちの遊びは、いやらしい。

もう自分に手紙を寄こさないそうだが、自分は、なんとも思わない。友情は、義務でない。また手紙を寄こしたくなったら、寄こすがよい。要するに、自分は、君の言う事を、信用しない事にする。君の言ってる事が、わからないのです。

はっきり言うと、自分は、あの温泉宿で君と遊んで、たいへんつまらなかった。君はまだ、作家を鼻にかけている。そうして、井原と木戸を、いつでも秤にかけて較べてみていました。つまらない。

あんまり悪口を言うと、君がまた小説を書けなくなるといけないから、最後に一つだけ、君を歓ばせる言葉を附け加えます。