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きぶつどうじけん

鬼仏洞事件

海野 十三

線上閱讀海野 十三《鬼仏洞事件(きぶつどうじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,468 字 · 30 頁

青空文庫

これならもう、鬼仏洞を見に入っても、抜かるようなことはあるまいという自信がついた。

無理をしたため、頭がぼんやりしてきたので、彼女は、その日の午後、しばらく睡っていた。が、午後三時ごろになって、気分がよくなったので、起きて、急に街へ出てみる気になった。

その日は、土曜日だったせいで、街は、いつにも増して、人出が多かった。彼女は、いつの間にか、一等賑かな紅玉路に足を踏み入れていた。

鋪道には、露店の喰べ物店が一杯に出て、しきりに奇妙な売声をはりあげて、客を呼んでいた。

三千子は、ふとした気まぐれから、南京豆を売っている露店の前で足を停め、

「あんちゃん。おいしいところを、一袋ちょうだいな」

といって、銀貨を一枚、豆の山の上に、ぽんと放った。

「はい、ありがとう」

店番の少年は、すばやく豆の山の中から、銀貨を摘みあげて、口の中に放りこむと、一袋の南京豆を三千子の手に渡した。

「おいしい?」

「おいしくなかったら、七面鳥を連れて来て、ここにある豆を皆拾わせてもいいですよ」

といってから、急に声を低めて、

「……今日午後四時三十分ごろに、一人やられるそうですよ。三十九号室の出口に並べてある人形を注意するんですよ」