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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

線上閱讀内藤 鳴雪《鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,693 字 · 377 頁

青空文庫

また父からも時々送金してくれるので、私は寮生中でもまず懐の好い方であった。

芝居では中村座の座頭が以前市村羽左衛門といった尾上菊五郎、立女形が坂東三津五郎、書出は忘れた。市村座の座頭は後に市川の九代目となった河原崎権之助、立女形は後に半四郎を継いだ岩井紫若、ここも書出は忘れた。守田座は前にいった通り。それから中村芝翫とか坂東彦三郎とかは、あちらこちらと助けに来て、これは特待の中軸になっていた。なお中村宗十郎とか、大谷友右衛門とか中村翫雀とか、東京へ来ては同姓名のあるのを避けた高砂屋福助なども、絶えず大阪から来て、これは客座に名を出していた。この年の七月であった、沢村田之助は久しく引籠っていたのが珍しく出勤したが、もう両足とも切っていたので、痛みを忍びながら寝たまま三勝半七の三勝が病中の所だとして、左団次の半七を相手に一幕だけ顔を見せた。その後またまた引籠ってしまった。その頃の芝居は随分舞台で猥褻な情態をして、それで見物の興を引く弊もあったが、その筋からも何らの干渉をせなかった。一体に、戦争上りで努めて人心を温和に導くという政策ででもあったのか、太政大臣の三条公さえも、維新の最初は吉原の金瓶楼あたりへ通われたという話しもあった。