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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

線上閱讀内藤 鳴雪《鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,693 字 · 377 頁

青空文庫

浅草方面へ行くのは、まず梅屋敷の梅見、それから隅田川の花見であった。或る時は屋根舟で花見したことがあった。舟の中から堤を通る知人を見て、私の連れの人が徳利を示して『一杯やろう』といって戯れたことがあったのをおぼえている。一体私は舟を好かない方で、その日も遂には気分が悪いといって寝てしまった。

人の通行に駕籠に乗るという事は、余儀無き急用の際か、あるいは吉原などへ行く時の外に無かった。遊里へ行く者はケチと思われまいとして乗りもしたが、駕籠賃は大変高かったので、普通の場合には大抵乗らなかった。駕籠舁は多く辻にいて客に勧めた。彼らは少し暖かくなると褌一つの裸で居た。荷車曳きは寒暑とも通じて裸であった。宮寺には、寒中裸でお参りをする者があった。これは病気が平癒したら裸参りをさせますという祈願を籠めて、それが叶ったので遣らせるのであった。また縁日などに乞食坊主は寒中裸で水を浴びて人に銭を貰った。これは人のために代って行をしているという意味でやっていたのである。今日もある寒詣りもその頃は裸であった。

私の藩邸から近い縁日では、有馬邸の水天宮が盛んで、その頃江戸一番という群集であった。