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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

線上閱讀内藤 鳴雪《鳴雪自叙伝(めいせつじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,693 字 · 377 頁

青空文庫

藩地でも獣肉は高価であったから、そう度々食うことは出来ないのである。

武芸のうちには明教館以外で大砲や小銃の稽古もした。小銃に入門をして或る許しを受けた以上は、銃を持って獣狩に行くことが出来た。まだその頃は、少し城下を離れた山には、鹿などが居たもので、それを打取って来れば、一部分を師匠及び高弟に贈る。なにがしが鹿を獲て帰ったと聞くと、近所からも少しいただきたいといって貰いに来る。それを乞うに任せて分ったので、鹿を得た家でも十分に一家で食うことは出来なかった。かかる有様であるから、ヤマクを弁当の菜に持って行って、皆が騒ぐのも無理はない。

私は撃剣へ入門をしたが、試合は頗る下手で、同輩と勝負しても常に負けた。頭をドンドン叩かれるのも痛いものであった。強く叩かれると土臭い匂いがする。それに反して、カタはうまかった。その頃カタのことをオモテといった。入門すると或るカタを習って、進むに従って段式というを貰って、段式相当のカタを習うことであったが、私のカタが一番よいといって、先生がいつも誉めてくれた。

その翌年の春に、君侯の御覧があった。君侯は学問所へは月に二回ずつ来て講釈を聞かれ、武芸の方は春秋二回御覧があった。