輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
う
鵜
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《鵜(う)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,733 字 · 38 頁
すると女は突然しがみついた。両手で力いっぱいしがみつき、危うく抱きとめた男の腕のなかで、がたがたとふるえた。
「きつく」と女が云った、「もっときつく抱いて、つぶれるほどよ」
半三郎はそうした。濡れている膚の下に、火のような躰温が感じられた。そんなに強く抱き緊めても、女の躯のふるえは止らなかった。まるで瘧の発作のような、異常に烈しいふるえかたであった。そうしてやがて、そのふるえが止ったと思うと、女の躯からふいに力がぬけ、全身が軟らかく、溶けてしまいそうになった。
「おれは、漁師じゃあない」半三郎がしゃがれた声で云った、「おれは釣りをたのしむだけだ、漁師じゃないから、魚は要らないんだ」
「なにか仰しゃって」
「いや、なんでもない」半三郎は云った、「なんでもないよ」
女はうっとりと溜息をついた。半三郎の胸に凭れ、彼の腕にすっかり身を預けて、そのままで、うっとりと囁いた。
「逢いたかったわ」
半三郎はつよく眉をしかめた。
「名を訊いていいか」と彼は云った。
「いや」女は首を振った、「あなたがお付けになって、あなたの好きな名で呼んでちょうだい、それがあたしの名よ」
「おまえの小さいときからの名が知りたいんだ」