輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わし

鷲

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《鷲(わし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,476 字 · 290 頁

青空文庫

風呂敷に包まれた物というのは、白い新しい経帷子であった。

二

かの老婆がなぜこんな物をかかえ歩いていたのか。考えようによっては、さのみ怪しむべきことでもないかも知れない。自分の親戚あるいは知人の家に不幸があって、かれは経帷子を持参する途中であったかも知れない。かれは年寄りのくせに路を急いだのも、それがためであったのかも知れない。心せくままに、かれはそれを駕籠のなかに置き忘れて去ったのかも知れない。

もしそうならば、かれもおどろいて引っ返して来るであろう。近江屋は芝の田町で、高輪に近いところであるから、ここからも遠くはない。そこで文次郎は迷惑な忘れ物をかかえて、暫くここに待合せていることにして、お峰親子の駕籠はまっすぐに江戸へ帰った。

自分の店へ帰り着いて親子はまずほっとした。隠して置くべきことでもないので、お峰はかの老婆と経帷子の一条を夫にささやくと、亭主の由兵衛も眉をよせた。それに対する由兵衛の判断も、大抵は前に言ったような想像に過ぎなかったが、何分にもそれが普通の品物と違うので、人々の胸に一種の暗い影を投げかけた。殊にその時代の人々は、そんなことを忌み嫌うの念が強かったので、縁起が悪いとみな思った。