輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

わし

鷲

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《鷲(わし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,476 字 · 290 頁

青空文庫

「わたしの親を助けてください。」と、お蝶は又言った。

「その親はどこにいるのだ。」

お蝶は掴んでいた手を放して、海とは反対の空を指さした。それを見ているうちに、又次郎はふと考えた。かれの指さす空は武州か甲州の方角である。前にもいう通り、その眼はただの人間の眼ではない、鷲か鷹のごとき猛鳥の眼である。その上に、わたしの親はあなたのお父さまに殺されるという。それらを綜合して考えると、お蝶の親は鷲であるというような意味にもなる。――こう考えて、又次郎はまた思いなおした。世にそんな奇怪なことのあろう筈がない。お蝶は確かに角蔵夫婦の子で、お島の妹である。武州や甲州の山奥から飛んでくる鷲の子――それが人間の形となって自分の前に立っているなどということは、昔の小説や作り話にもめったにあるまい。

自分が夢をみているのか、お蝶が乱心しているのか、二つに一つのほかはない。勿論、後者であると又次郎は判断した。乱心ならば不憫な者である。なんとか宥めて親たちに引渡してやるのが、自分として採るべき道であろうと思ったので、彼はにわかに声をやわらげた。

「わかった、判った。おまえの親はあの方角から来るのだな。