輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《黄金仮面(おうごんかめん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,357 字 · 287 頁

青空文庫

でも、なんて素敵なお化けでしょう。黄金仮面! 其の名を聞いた丈けでも、胸がワクワクする様だわ」

アア、何という事だ。大鳥家の一人娘不二子さんは、とうとう気が違ってしまったのであろうか。乳母のお豊ならずとも、誰がこれを正気の沙汰と思うものか。

「わたし、喉が乾いてしまった。婆や、お紅茶を入れて来ておくれ」

暫くすると、不二子さんは、人の気も知らないで、呑気な注文をした。

「そうして、わたしを追い出そうとなさるのでしょう。駄目です駄目です。この部屋から一足だって出るこっちゃございません。お紅茶なら、女中を呼んで云いつけますわ」

乳母も仲々抜りはない。柱の呼鈴を押すと、やがて、廊下に足音がして、ドアの外から女中の声がした。

「お紅茶を二つってお云い。お前だって喉が乾いたでしょう」

「エエエ、お相伴いたしますとも」

お豊は半ばやけな調子で、不二子さんの云うがままに、ドアの外の女中へ伝えた。

暫くすると、書生の青山の鍵でドアが開かれ、女中が紅茶のお盆をテーブルの上に置いて立去った。ドアに再び鍵がかけられたことは云うまでもない。

「婆や、暗いわね」

不二子さんが、お豊に目で合図をした。