輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
おうごんひょう
黄金豹/妖人ゴング
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《黄金豹/妖人ゴング(おうごんひょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 153,404 字 · 307 頁
人見は、船が岸をはなれるのを待って、へんなことをはじめました。
まず、ポケットから、たくさんのネジクギを出して、大トランクの息ぬきの穴へ、それを、ひとつ、ひとつねじこみ、すっかり、息がかよわないようにしてしまいました。トランクの中には、小林君がしのんでいるのです。こんなに、息をとめられたら、死んでしまうではありませんか。しかし、十分や二十分はだいじょうぶです。トランクの中の酸素が、すっかりなくなってしまうまでには、そのくらいの、よゆうがあるはずです。
穴をつめてしまうと、こんどは、船の中に用意してあった長い針金を、トランクのまわりに、グルグル巻きつけました。その針金のさきには、大きななまりのおもりが、いくつも、くくりつけてあるのです。
それから、人見は、背広の上から、潜水服を身につけました。しんちゅうの大ダコのような、ぶきみな頭、全身をつつむ、だぶだぶのゴム製の服、その足にも、大きななまりのおもりがついています。
船が勝鬨橋から東京港にむかって三百メートルも進んだころ、船頭はろをこぐのをやめて、船をとめました。あたりはまっ暗です。ずっと向こうに、東京湾汽船発着所のあかりが見えています。