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こうちょうのなげき

黄鳥の嘆き

甲賀 三郎

線上閱讀甲賀 三郎《黄鳥の嘆き(こうちょうのなげき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 40,792 字 · 82 頁

青空文庫

それでも暫く通ってますうちに、少しは様子が分って来ました。浜勇はどうも和武を嫌っているらしいのだすな。

「華族はんて、あんなもんだっかいな。いやらしいね」と或時吐き出すようにいいました。だん/\探って見ると、とても執拗いンやそうです。浜勇のいう話によりますと、和武ちゅう人は、口前が上手で、ケチで下品で、とても華族ちゅう肩書の他には、とンと取柄がないちゅう結果になります。そうすると、改心したちゅうても、やっぱり心は下卑ていて、私の観測が違ったかいな、そうやったら、何ぞ弱い尻が掴めそうなもンやと、悲観して見たり、喜んだり、ちゅう訳です。

所が、そのうちにふと浜勇の口から、和武が以前北の新地で散々遊んで、そこに深い馴染の妓があって、末は夫婦とまで約束したちゅう話を聞きました。

それから私は北の新地へ行きましたな。何しろ、費用はなんぼでも出るし、こんな機会に遊んどかんと、又とでけるこっちゃおまへんからな。所が、和武が北の新地で遊んだちゅうのは、四五年ももっと以前の話で、若い妓は一向知りまへなんだが、年増芸者は直ぐにうなずいて、「花江はんが可哀そうやわ」ちゅうほど、当時はこの世界で有名な事やったらしいのです。