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あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいにかん)
あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)(あとがき(『みやもとゆりこせんしゅう』だいにかん))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,610 字 · 8 頁
今から考えれば、その欲望は、作者が感情錯乱の中からそうとは自覚しないで求めた一つの客観性、客観的態度への転換の要求であったと思う。作者は一面では現実逃避して「古き小画」に没頭したのであったが、三ヵ月にあまるこの仕事への没頭――調べたり、ノートしたり、書いたりしてゆく過程で循環してつきない自家中毒をおこしていた精神活動の上に知らず知らず、やや健全な客観の習慣をとりもどすことが出来たのであった。翌年の秋から「伸子」が執筆されはじめた。その前提となって、はげしい心の病気からの立ち上りが示されている作品であった。
「古き小画」では、素朴な古代人の感情、行動、近東の絵画的風俗などに少なからず作者の感興がよせられている。エクゾチシズムが濃い。しかしテーマは、古代ペルシアの王と諸公(英雄たち)の運命を支配していた封建的な関係。同じ社会的な条件で、その愛も全うされなかった男女、その間に生れた雄々しい若者。最後のクライマックスで、封建社会での王は最も頼みにしているルスタムの哀訴さえ自身の権勢を安全にするためには冷笑して拒んだ非人間らしさを描き出している。
「渋谷家の始祖」