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あらしのまえのきととりのかいわ

あらしの前の木と鳥の会話

小川 未明

線上閱讀小川 未明《あらしの前の木と鳥の会話(あらしのまえのきととりのかいわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,335 字 · 9 頁

青空文庫

二

しかし、まだ、これを子細に視察してきたものがない。だれかを、人間のたくさん住んでいる街へやって、検べさせてみたいものだ。そして、よくよく人間が、不埓であったら、そのときは、復讐しよう……そうでないか?」と、ひのきの木はいいました。

二

たかは、曲がったくちばしを、木の皮で磨いて、聞いていました。

「それは、いいところに気がついたものだ。さっそく、視察に、だれか、やったらいい。おまえさんには、だれがいいか、心あたりはありませんか。」と、たかは、ひのきの木にたずねました。

ひのきの木は、うなずきました。

「それは、やはり、人間の姿をしたものでなければ、この役目は、果たされないだろう。幸い、あの乞食の子を、にぎやかな街へやることにしよう。あの子には、俺も、おまえも、いろいろ世話をしてやったものだ。」

「私は、あの子に、他所から、くつをくわえてきてやった。また、着物をさらってきてやったことがある。」と、たかはいいました。

ひのきの木は、身動きをしながら、

「俺は、あの子に、いろいろな唄の節を教えてやったものだ。また、あの子が父親といっしょに、この木の下にいる時分は、雨や、風をしのいでやったものだ。