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あらしのまえのきととりのかいわ

あらしの前の木と鳥の会話

小川 未明

線上閱讀小川 未明《あらしの前の木と鳥の会話(あらしのまえのきととりのかいわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,335 字 · 9 頁

青空文庫

三

「それがいい。それがいい。」といっているようでした。

「いってみようかしらん。あしたは、天気だろうか?」と、子供はいって、小舎の入り口から、くりのまりのような、毛ののびたくびを出して、空の景色をながめると、林の間から、雲切れのした、青い空の色が、すがすがしく見られたのです。そして、たかの空を舞って鳴く声が聞こえました。

「いってみろ! いってみろ!」

たかは、こう叫んでいました。

三

乞食の子は、胡弓を持って、街へやってきました。父親は、村を歩いて、子供は、一人で街へきたのであります。

いい天気でありました。ある橋のところへくると、馬が重い荷を車につけて、引いてきかかりました。そして、そこまでくると、もう歩けなそうに、止まってしまいました。

馬引きは、綱で、ピシリ、ピシリと馬のしりをたたきつけました。馬は、苦痛にたえかねて跳ね上がりました。

これを、見ている人たちは、みんなびっくりしました。

「ちと、荷が、重すぎるのだ。」といった人もあります。

「かわいそうに。」と、馬に、同情した人もあります。

乞食の子供は、どうなることかと思って、しばらく立って見ていました。