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いいおじいさんのはなし
いいおじいさんの話
小川 未明
線上閱讀小川 未明《いいおじいさんの話(いいおじいさんのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 3,793 字 · 8 頁
幾何もなくして、この家に、赤ん坊が生まれました。それからというもの、女房は、ほんとうにやさしい、いいお母さんとなり、亭主はよく働く大工となって、二人は、赤ん坊の顔を見るのが、なによりの楽しい、なぐさめとなったのであります。
おじいさんは、仕事の帰りに、この家へ立ち寄って、平和な有り様を見るのが、またなによりの喜びでありました。
そして、何人によらず、子供をしかるのを見ると、おじいさんは、
「おまえが生んだから、自分のものだとばかり思ってはいけない。神さまこそ、ほんとうのこの子供のお母さんだから、自分の機嫌にまかせて、子供を育ててはならない。」といいました。
村の人たちは、いまごろ、神さまなどというおじいさんをばかにして、笑っていました。
「おじいさん、神さまの子供なら、人間は、神さまでなければならないじゃないか、それだのにいい人もあれば、わるい人もある。これは、どうしたことだ?」と問いました。
そのとき、おじいさんは、いつか天使が、
「人間は生まれてくるとき、すべての悟る力を授けられてきたのだが、いつか忘れてしまって、正しい生活ができなくなったのだ……。