輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《いたずら小僧日記(いたずらこぞうにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,226 字 · 128 頁
と妙な調で謡って歩く。桶屋の酒飲親爺は彼の乞食は乞食でも愛嬌があると言って褒めていた。其は兎に角乃公は動悸としたが、
「ええ、色んな大切の物が入ってるんです」
歌さんは笑いながら、
「私は又太郎さんが逃げる支度をしているのだと思った。御本や着物をポケットに入れて」
乃公は黙って笑っていた。皆も笑っている。危い所だった。
昼頃隙を見て乃公は家を脱出した。そして例の写真の本尊達を一々訪問して歩いた。一番最初に行ったのは「自惚かがみ」君の家であった。先生店に鯱構えていた。乃公は大人になっても那鬚は生したくないと思った。いくらカイザル鬚がコレラ病のように流行ったって、彼では些っとカイザリ過ぎる。其も太いのなら兎も角だが、細いのが五六本ピンと蜻蛉返りをしているのは決して見とも好いものでない。
「や、太郎さんか、よく来たね。もう全然快いかね。うむ、其は好かった」
と掻猿真似は一人で喋っている。乃公は一寸の間話をした。
「姉さん達は如何ですか。此頃は店の方が忙しいもんで、大変御無沙汰しちまった。歌子さんは矢張りピアノですか」
と此方で返辞もしないのに能く喋る奴だ。歌さんがピアノで堪るものか。