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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《いたずら小僧日記(いたずらこぞうにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,226 字 · 128 頁
等は頗る厳しい。どっちがお喋りだ。兎に角処分は追って後の事として、帰って来ない中にと、乃公は一生懸命で丁寧に一頁写し取った。
日が暮れると間もなく、富田さんがやって来た。富田さんは毎晩のように遊びに来る。肥り返って岩畳骨格の男だ。顔は頗る不器用で御丁寧に鰥と来ているが、お金は大層あるそうだ。お島のいう所に依ると大分お花姉さんに参っているそうだが、トランプで参ったかピンポンで参ったか、其辺までは詳しく訊いて見なかった。
乃公が例の日記帳を抱えて、得意然と客間へ入って行くと、富田さんは例の赤ら顔をテカテカさせて、
「やあ、太郎さん、どうだね」
と言って、キャンデーを呉れた。乃公は此人は那に嫌いでもない。君の持っているのは其は何かねと訊くから、是は日記帳です、未だ買いたての貰いたての写したてのホヤホヤですと答えた。すると尚お拝見致したそうにしているから、お目にかけてやった。
「ふーむ、是や豪気だ。金縁だね」
と富田さんは仔細らしく乃公の日記帳を見ている。姉さんのお気に入ろうと思って、乃公にまで恁に御愛嬌を振撒くのだろうが、豪気だの豪勢だのという下町言葉を使っては、気位ばかり妙に高いお花姉さんに好かれる筈がない。