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いたずらこぞうにっき

いたずら小僧日記

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《いたずら小僧日記(いたずらこぞうにっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 63,226 字 · 128 頁

青空文庫

人を馬鹿にしている。弟の耳を引張ったりする天の使があって堪るものか。婦女というものは何故斯んなに己惚が強いんだろう。

お歌さんの方の会で慈善市を開いたから、手伝いに行ってやった。初めの日は大変成功して、乃公は皆に褒められた。乃公は胸に赤リボンの蝶を附けて得意がっていた。これは販売係の記章である。五銭の葉巻を二十銭に売った。お歌さんが勘定して見たら、此方だけで六十本売れていた。

二日目も可なり景気が好かった。日が暮れてから会員一同倶楽部の二階でお茶を飲んだ。無論乃公も出席した。乃公は会員じゃないけれど、福引券を三枚貰っている。それでお茶なんか如何でも宜いから早く福引を始めれば宜いと思っていた。

余り退屈だったから、乃公は隣席にいた奥様に斯う話しかけた。

「面白い物を見せて上げましょうか」

「何です。坊ちゃん」

と聞くから斯う説明してやった。

「何でも黒い物です。喫驚なさらなければ見せて上げます」

「何ですか是非拝見致しましょう」

と今度は右隣にいた令嬢が口を出した。乃公は最早可かろうと思って、衣嚢の中から先刻捕えて置いた小鼠を出してテーブルの上に置いた。乃公が手を放すか放さぬ中に鼠は奥様に飛付いた。