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こまどりとさけ
こまどりと酒
小川 未明
線上閱讀小川 未明《こまどりと酒(こまどりとさけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,462 字 · 11 頁
夜おそくまで、おじいさんは仕事をしていました。寒い、冬のことで、外には、雪がちらちらと降っていました。風にあおられて、そのたびに、さらさらと音をたてて、窓の障子に当たるのがきこえました。
家の内に、ランプの火は、うす暗くともっていました。そして、おじいさんが、槌でわらを叩く音が、さびしいあたりに、おりおりひびいたのであります。
このおじいさんは、たいそう酒が好きでしたが、貧しくて、毎晩のように、それを飲むことができませんでした。それで、夜業に、こうしてわらじを造って、これを町に売りにゆき、帰りに酒を買ってくるのをたのしみにしていたのであります。
野原も、村も、山も、もう雪で真っ白でありました。おじいさんは、毎晩根気よく仕事をつづけていたのであります。
こう、雪が降っては、隣の人も話にやってくるには難儀でした。おじいさんは、しんとした外のけはいに耳を傾けながら、「また、だいぶ雪が積もったとみえる。」と、独りごとをしました。そして、また、仕事をしていたのであります。
このとき、なにか、窓の障子にきて突きあたったものがあります。雪のかかる音にしては、あまり大きかったので、おじいさんは、なんだろうと思いました。