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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
線上閱讀佐藤 垢石《『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 頁
下
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鯰は妖怪変化の術を心得ていて、大入道に化けた話は、そちこちにある。中国の鯰は孔子さまを脅かしに行った。捜神記という化け物のことばかり書いた古い中国の本に、孔子さまがある夜一人で室に引き籠っていると、一人の異様な風体の男が訪ねてきた。見ると身の丈九尺に余る大男で高い冠をかむっている。そして「孔子、貴公なにしちょるか」といって、大声であたりへどなりまわした。そこへ、孔子の弟子の子路がやってきて、師の身辺を脅かすとは怪しからん奴、とばかりその大男を庭へ引き摺りだし、組打ちをはじめ、とうとう子路が勝って大地へ組み伏せ、高手小手に縛りあげてみたところ、こはそもいかにこれ大鰓魚也とあった。つまり、大鯰であったのである。
鯰の化け方の道化ているところは、陸の狸公に似ているではないか。
日本の鯰は、鼻下に二本髭を蓄えているだけであるけれど、北満洲の齋々哈爾の北を流れる嫩江には、三本髭の鯰がいる。一本は顎の下に長く生えているのである。三本ひげを蓄えた顔は、中国の大人の風貌によく似ている。そして、顔の造作からだの格好に至るまで、日本の鯰に寸分違わぬのであるけれど、実はこれは鯰ではないのである。