輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
線上閱讀佐藤 垢石《『たぬき汁』以後(あわもりものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 頁
いずれも、怪しきことに思っていると、一人の武士が城の隅の叢のなかで異様なものを発見した。それは一疋の大狸、しかも冑を着て倒れているのである。手も足も、頭も傷ついて息絶え絶えのありさまだ。
武士がその傍らへ走り寄ると、狸は苦しげな声で自分は年古くこの城のなかに棲んでいる。恰も、城の将兵から飼われているのも同じようであった。ところが、昨夜の戦いで城方が甚だまずい。この分では、落城に及ぶかも知れぬと知ったとき、傍観するのに忍びなかった。そこで、多数の将兵に化けて出で、力の限り闘って、このように深い手傷を負ったけれど、北条武田方を敗走せしめたのは本望であった。これで、多年の御恩返しもでき、無事に極楽へ行けましょう。こう、苦しいなかから物語り終わると、息を引き取ったという。
八
これは、それから二十二、三年過ぎてからの話である。
上杉が退いたあとの厩橋城を支配したのが、瀧川一益であった。一益は、天正十年北条氏政のために敗られて、西の国へ走ったのである。そのあとは山上美濃守、織田彦四郎、松田兵部大夫などが引き続き北条の城代として厩橋にいた。
秀吉が二十五万の将兵を率いて小田原の北条を攻めたのは、天正十八年である。