輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《ちくしょう谷(ちくしょうだに)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 69,788 字 · 138 頁
それから頷いて、きいに酒の支度をさせてあるから、久しぶりに一杯つきあわないか、と云った。隼人は「そうだな」と口ごもった。気のすすまないようすだったが、それでも帯刀が立つと、いっしょに立ちあがって、母屋のほうへいった。――焼いた干物になます、菜の浸し物に野菜の甘煮、椀は落し卵の吸物に、凍豆腐の味噌汁というつつましいものであったが、給仕に坐ったきいは薄化粧をしていた。隼人は盃に二つか三つしか飲まなかった。酒には強いほうなので、きいが幾たびかすすめたが、薄化粧をしたあによめの姿が眩しいとでもいうように、隼人は眼をそらしながら穏やかに辞退した。――帯刀は少し酔うと高ごえになる癖があり、その声を聞きつけたのだろう、小一郎が寝衣のまま起きて来、襖をあけて覗いた。
「やあい」と小一郎は云った、「小池の伯父さんが酔っぱらってらあ」
きいが驚いて振返り、「小一郎さん」と叱ろうとしたが、帯刀はいい機嫌で、あぐらをかきながら手招きをした。
「起きていたのか坊主」帯刀はあぐらに坐った膝を叩いた、「こっちへ来い、抱いてやるぞ」
きいが制止するより早く、小一郎はとんで来て、帯刀の膝へ腰をおろし、すばやい眼つきで隼人の顔を見た。