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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

線上閱讀大阪 圭吉《とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 頁

青空文庫

ところが二度目の訊問に於ても、川口不二の陳述は最初のそれと少しも違わなかった。続いてなされた金剛蜻治も別荘番の戸田夫婦も、やはり同じように前回と変りはなかった。それどころか金剛と戸田安吉は、川口不二が事件の起きた当時、確かに南室を離れずに頻に窓際で荷物の整理をしていたのを、一人は裏庭の浴室の湯にひたりながら、一人はその浴室の裏の広場で薪を割りながら、二階の大きな窓越しに見ていたと云い合わせたように力説した。そして暫くしてその姿が急に見えなくなったかと思うと、直に再び現われて下にいた自分達に大声で亜太郎の死を知らせたのだと戸田がつけ加えた。すると川口不二は、荷物の整理をしながら亜太郎を殴り殺す位の余裕は持てたとしても、とてもその屍体を折曲がった廊下を隔てて隣りの東室へ運び込み、あまつさえ写生の道具などをも運んで贋の現場を作り上げるなどと云う余裕は持てないことになる。けれどもこれとても二人の証人の云う事を頭から信じてしまう必要はない。仮に信用するとしても、湯にひたったり薪を割りながら、少しも眼を離さずに二階ばかり見ていたなどと云うことがありよう筈はない。