輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
線上閱讀大阪 圭吉《とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 頁
この場合、忘れると云うことは絶対にあり得ない。それは恐らく、忘れたのではなくて、故意に置いて行ったとよりとりようがない。故意に置いて行ったということになると、恐らくその坑夫は、光が不要であったか、それとも有っては却って邪魔になったか――しかしそんなことを詮索しているうちに、さっきの運搬夫の女が、炭車を持たずに蒼くなって駈け戻って来た。
「はの百二十一は、死んだ峯吉の……」
「なに?」
「ハイ、その峯吉ッつァんの安全燈だそうです」
「なんだって? 峯吉の安全燈……」
係長は瞬間変テコな顔をした。
「待てよ。峯吉の安全燈……?」
――まさか、峯吉の安全燈が出て来ようとは思わなかった。峯吉では、いまはもう処罰のしようもない。いや、処罰の処罰でないのと云うよりも、どうして又坑内で働いていて死んだ筈の峯吉の安全燈が、いま頃こんなところから出て来たのであろうか?
係長はなに思ってか急にいやアな顔をすると、その安全燈を取り上げて、これも又同じように様子の変ってしまった浅川監督へ、顫え声で云った。
「とにかく、引挙げましょう。その上、ひとつよく考えてみるんですね。どうも、サッパリわけが判らなくなってしまった」