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とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

線上閱讀大阪 圭吉《とむらい機関車(とむらいきかんしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 186,729 字 · 371 頁

青空文庫

「君、何貫ある?」

「何貫って、目方かね?」

「そうだ」

「よく覚えていないが、五十瓩内外だね」

「ふむ。よし」

と今度は下男に向って、

「君は?」

「私もよく覚えていませんが、六十瓩以上は充分ありましょう」

「成る程。――僕が約五十六瓩と……一寸君達、そのままでいてくれ給え」

そう云って両手で抑えるように私達を制すると、そのまま岸に飛びあがって行った。が、間もなく大きな石を二つ程重そうに抱えて来て、船に積み込ませた。

「さあ、もう一度船の水平を保つために、各自の位置に注意して。いいですか」

そう云って東屋氏は、前と同じように屈み込んで舷側を覗き込んでいたが、間もなく微笑みながら立上って云った。

「よし。これで恰度よい――。ところで、先程僕が面白い発見をしたと云ったのは、これなんだよ。つまり、僕と君とそれから下男と、そしてこの大小二つの石と、合計しただけの重量が、一層正確に云えばいまこの白鮫号に乗っかっているだけの重量と同じだけの重量が、そうだ、人間なら大人三人位の重量が、昨夜この泡のある海面に浮いていた同じ白鮫号の中に乗っかっていたのだ。つまり深谷氏は、昨夜一人だけでヨットへ乗っていたのではない。