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のろのろほうだんのきょうい
のろのろ砲弾の驚異
海野 十三
線上閱讀海野 十三《のろのろ砲弾の驚異(のろのろほうだんのきょうい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,247 字 · 19 頁
最初にそれを測っておいて、それから砲弾の方を合わせて置けば、砲弾は、どこまでも、目標を追いかける。先夜、あなたがたを追いかけていったのも、その仕掛けのせいだ。尤も、君たちに会えば、用がないから、わしのところへ戻ってくるように調整しておいたのだ。これはわしの自慢にしているからくりじゃ」
「なるほど。そんなことになりますかな」
と、感心しているとき、監視部から電話がかかってきた。敵艦隊が遂に現れたというのである。博士は、すぐさま弩竜号に、浮揚を命じた。
「二百発の低速砲弾を、敵の四隻の巡洋戦艦に集中する。一艦につき五十発ずつだ。五十発の命中弾をくらえば、どんな甲鈑でも、蜂の巣になるじゃろう。しかも、第一発が命中した個所を、次の第二弾が又同じ個所を狙って命中するのだから、まるで、錐でボール紙の函に穴をあけるようなものじゃ。まあ、見ていたまえ」
博士は、テレビジョンの映幕を見ながら、八門の四十センチ砲の射撃を命じたのであった。二百発の砲弾は、まるでいたずら小僧の群を襲う熊蜂の群のように、敵艦にとびついていったが、まことにふしぎな、そして奇怪な光景であった。それから十五分ほどたって、四隻がてんでに舷側から火をふきながら、仲よく揃って、ぶくぶくと波間に沈み去ったその壮観たるや、とても私の筆紙に尽し得るものではなかった。