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ひすいのたま

ひすいの玉

小川 未明

線上閱讀小川 未明《ひすいの玉(ひすいのたま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 3,347 字 · 7 頁

青空文庫

」と、いったのでした。

これを聞いたとき、竹夫は、おどろかずにいられませんでした。なぜなら、あの、自分のすきなおじさんも、やはり、そんなわるい人間であろうかと思ったからです。そして、おじさんは、うちのおとうさんや、学校の先生などのようなしょうじきな人とは、ひとつにみられない人間であろうかと、考えざるをえなかったからでした。

もし、来客のことばに、まちがいがなければ、竹夫は、自分の頭と目をうたがわねばなりません。それから、四、五日というもの、かれは、煩悶にすごしたのです。

しかし、真実のない批評とか、よりどころのないうわさなどというものの、無価値のことが、じきわかるときがきました。それどころか、いままでに、まだふれる機会のなかった、真の人間のとうとさというものを知ることができたのです。

竹夫は、いつものごとく、おじさんの店へ、遊びにいきました。ちょうど、おじさんのなかまもきていて、世間話をしていました。

そこへ、外から、一人の女がはいってきました。そして、はずかしそうにして、ふところから、紙につつんだものを出して、

「これを買っていただけませんか。」