輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

みずぐるま

みずぐるま

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《みずぐるま》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,077 字 · 54 頁

青空文庫

深江はもう年も十九歳になっていたし、良縁なので父も母も乗り気だったが、いやなものを無理にというのではなかった。

――伊原さまにはお断わり下さい。

自殺する前の日に、深江は母にそう云ったという。とすれば縁談のためではないだろうが、ほかには思い当ることは(少なくとも和次郎には)なにもなかったのである。彼がひそかにみるところでは、母はなにか知っているようであった。それは、姉が死んだあとのまいりかたも尋常ではなかったし、死躰をみつけたときに殆んど狂乱して、

――なぜ母さんに相談してくれなかったのか。

と、かきくどいていた。

そんなことはそのとき限りで、あとは病気になるほどまいってしまい、深江という名を聞いても顔色が変るくらいであった。彼は慥かに母がなにか知っていると思い、母が知っているとすれば、父も知っているのではないかと想像した。それで、いちどは訊いてみたいと思っているのだが、いざとなると、つい気が挫けてしまう。理由がわかったところで、死んだものが生き返るわけでもなし、古傷に触ることもあるまい、と思い直してしまうのであった。

秋八月になって、若尾は磯野の道場へ入門した。