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ものおもうあし

もの思う葦

太宰 治

線上閱讀太宰 治《もの思う葦(ものおもうあし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,430 字 · 42 頁

青空文庫

重大のこと

敵

健康

われながら、まるでたわいがないのだ。

この項、これだけのことで、読者、不要の理窟を附さぬがよい。

重大のこと

知ることは、最上のものにあらず。人智には限りありて、上は――氏より、下は――氏にいたるまで、すべて似たりよったりのものと知るべし。

重大のことは、ちからであろう。ミケランジェロは、そんなことをせずともよい豊かな身分であったのに、人手は一切借りず何もかもおのれひとりで、大理石塊を、山から町の仕事場までひきずり運び、そうして、からだをめちゃめちゃにしてしまった。

附言する。ミケランジェロは、人を嫌ったから、あんなに人に嫌われたのだそうである。

敵

私をしんに否定し得るものは、(私は十一月の海を眺めながら思う。)百姓である。十代まえからの水呑百姓、だけである。

丹羽文雄、川端康成、市村羽左衛門、そのほか。私には、かぜ一つひいてさえ気にかかる。

追記。本誌連載中、同郷の友たる今官一君の「海鴎の章。」を読み、その快文章、私の胸でさえ躍らされた。このみごとなる文章の行く先々を見つめ居る者、けっして、私のみに非ざることを確信して居る。

健康

なんにもしたくないという無意志の状態は、そのひとが健康だからである。