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アインシュタインきょうじゅをわがくににむかえて
アインシュタイン教授をわが国に迎えて
石原 純
線上閱讀石原 純《アインシュタイン教授をわが国に迎えて(アインシュタインきょうじゅをわがくににむかえて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,458 字 · 11 頁
そこに尊ぶべきものは材料の値高さではなく、人間のこころのあらわれであると信ぜられていたからです。ごく平民的な教授は富豪の家でりっぱな装飾を眺めることよりも、むしろありのままの平俗な生活を知るために田舎みちをみずから歩いてみたいとも言われました。しかしそういう機会はあまりなかったのですが、須磨でちょっと町を歩いて、市の防火宣伝の画の建札が辻に立っていたのに注目されたり、人形や菓子の並んでいる店や、魚屋や市場のまえに立ち止まってもの珍しそうにそれを眺められました。福岡で洋式旅館のないことを心配して、改造社では門司の三井倶楽部を借りてそこに泊って福岡の講演におもむかれるようにしたところが、講演の翌日に再び九州帝大の午餐会でそこにおもむかなくてはならなかったので、教授はそれを好機としてぜひとも一度は日本式の旅館へ泊ってみたいと申し出られ、自分ひとりでその夜を蒲団の上に寝ね、味噌汁で朝食をとられました。そして「自分だけで日本を旅行するのならば、どこでもこういう宿屋で泊りたい」とも話されました。米食や日本料理はあまりにもその口に不慣れであったに違いないのですが、それでも習俗を知ろうとする心からそう言われたのに違いありません。