輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

アド・バルーン

アド・バルーン

織田 作之助

線上閱讀織田 作之助《アド・バルーン》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,390 字 · 53 頁

青空文庫

そして、戸を明け、掃除をするのですが、この掃除がむずかしい。縄屑やゴミは燃料になるので、土がまじらぬように、そっと掃かないと叱られる。旦那は藁一筋のことにでも目の変るような人だった。掃除が終っても、すぐごはんにならず、使いに走らされる。朝ごはんの前に使いに遣ると、使いが早いというのです。その代り使いから帰ると食べすぎるというので、香の物は恐しくまずく漬けてある。香の物がまずいと、お粥も食べすぎないだろうという心の配り方です。しかし、これはその家だけの習慣ではなく、あとであちこち奉公してみて判ったのだが、これは船場一体のしきたりだったようです。

一事が万事、丁稚奉公は義理にも辛くないとは言えなかったが、しかしはじめての盆に宿下りしてみると、実家はその二三日前に笠屋町から上ノ宮町の方へ移っていました。上宮中学の、蔵鷺庵という寺の真向いの路地の二軒目。そして、そこにはもう玉子はいずに、茂子という女が新しい母親になっていて、玉子が残して行ったユキノという私の妹は、新次といっしょに継子になっていました。私はやはり奉公してよかったと思いました。その時、私はずいぶん悲痛な顔をしていたようでしたが、しかし、今になって考えてみると、父は細君が変ると、すぐ家を移ってしまう癖があり、しかもそれがいつも夏だったとは、ずいぶんおかしい