輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
カラカラなるうみ
カラカラ鳴る海
小川 未明
線上閱讀小川 未明《カラカラ鳴る海(カラカラなるうみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,659 字 · 12 頁
「そのことだ! 俺は、いおうと思って忘れていた。あの白い船にはなんにも名まえが書いてなかったようだ。」といいました。
「まるできつねにつままれたような話だ。」と、みんなは口々にいって、その日は暮れてしまいました。
翌日、箱の中のみかんを取り出そうとしますと、どの箱の中からも、出てくるのはみかんでなくて、円い石塊ばかりでありました。みんなはどんなにびっくりしましたでしょう。
「みかんにしては重い箱だと思っていた。」といったものもありました。
そしてそのとき、全部の箱をあらためて見なかったのを悔いたのでありました。みんなは悪い船にだまされたといって、その黒い石をすっかり海の中に投げ捨ててしまいました。
それから後のことであります。あらしがきたときに、この港のものは、みんなが震え上がらなければなりませんでした。なぜというに、いつか海の中へ捨てた黒い石が、すっかり生きてでもいるようにカラカラカラッと鳴って、波の押し寄せるたびに岸へ打ち上げられて、また波の退くたびに海の底へもぐり込むように隠れたからでした。そしてあらしのやむまでは、カラ、カラ、カラッといって、昼となく夜となく、黒い石が鳴ってやまなかったのであります。