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キリストきょうにゅうもん

キリスト教入門

矢内原 忠雄

線上閱讀矢内原 忠雄《キリスト教入門(キリストきょうにゅうもん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,257 字 · 234 頁

青空文庫

肉体は「器」であって、主人ではない。人は肉体を器として、善を行ない、あるいは不義を行なう。それゆえに人は己が身体をば、善を行なう器としてこれを清く健全に保つべきであり、肉体が主人となって人を支配しないよう、これを適当にコントロールしなければ、ならない。肉体は聖霊の宿る宮として、その最高の意味があるのである。

肉体の世界が感覚にあるのと異なり、心もしくは精神と呼ばれる人間の部分は理性と感情の世界である。知り、考え、感じ、わきまえる能力が、心もしくは精神の領域である。

肉体と精神との間に微妙な関係のあることは、人のよく知る事実である。精神が身体に影響することもあるが、肉体の状態が精神に影響を及ぼすことも顕著である。身体の健康状態がよい時と悪い時とでは、人間の心のはたらきにも大きい変化がある。

一方では、心もしくは精神のはたらきは霊と深い関係に立っている。霊というのは、感覚でも理性でも感情でもなく、神の啓示を受ける直感の世界である。それがあるによって、人は神を知り、神を信じ、神に祈ることができる。心と霊は密接に交渉し、心によって考えもしくは感じたことは、霊によってその信仰的意味をさとり、また霊によって直感された神の啓示は、ただちに心に伝達されて、人間の意思もしくは感情を動かす。