輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ゴールデン・バットじけん

ゴールデン・バット事件

海野 十三

線上閱讀海野 十三《ゴールデン・バット事件(ゴールデン・バットじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,946 字 · 46 頁

青空文庫

彼の抱いていった薄刃の短刀に血を衂らず、あの重い砲丸を投げつけて目的を達したことは、後に捕縛されたとしても、短刀をまだ使っていないという点で、犯行を否定するつもりだったという。それを最初から指摘したところの検事は、大変鼻を高くしていた。

かくて事件は表面的には解決したが、私としてはお察しのとおり、いろいろの疑問が不可解のまま解決されていないので、大いに不満だった。

そして思いは帆村の場合も同じであった。その帆村は、海原力三の自白後、随分しばらくやって来なかったが、そうそう、あれは一ヶ月ほども経った後のことだったろうか、莫迦にいい機嫌で私の許へ訪ねてきた。

「オイ何処へ行ってたのか」

と私は帆村の鬚を剃ったあとの青々とした顔を見上げて云った。

「うん、東京にいるのが嫌になって、旅に出ていた。実は神戸の辺をブラブラしていたというわけさ。あっちの方は六甲といい、有馬といい、舞子明石といい、全くいいところだネ」

「ほう、そうか。じゃ誘ってくれりゃいいものをサ」

「ところがブラブラしていたとはいいながら、波止場仲仕をやっていたんだぜ」

「波止場仲仕を、か?」

私は直ぐ帆村の意図が呑みこめた。