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デカルトてつがくについて

デカルト哲学について

西田 幾多郎

線上閱讀西田 幾多郎《デカルト哲学について(デカルトてつがくについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 19,032 字 · 38 頁

青空文庫

一

カント哲学以来、デカルト哲学は棄てられた。独断的、形而上学的と考えられた。哲学は批評的であり、認識論的でなければならないと考えられている。真の実在とは如何なるものかを究明して、そこからすべての問題を考えるという如きことは顧みられなくなった。今日、人は実践ということを出立点と考える。実践と離れた実在というものはない。単に考えられたものは実在ではない。しかしまた真の実践は真の実在界においてでなければならない。然らざれば、それは夢幻に過ぎない。存在の前に当為があるなどいって、いわゆる実践理性の立場から道徳の形式が明にせられたとしても、真の実践は単に形式的に定まるのではない。此にも内容なき形式は空虚である。人は真実在は不可知的というかも知らない。もし然らば、我々の生命も単に現象的、夢幻的と考えるのほかない。そこからは、死生を賭する如き真摯なる信念は出て来ないであろう。実在は我々の自己の存在を離れたものではない。然らばといって、たといそれが意識一般といっても主観の綜合統一によって成立すると考えられる世界は、何処までも自己によって考えられた世界、認識対象界たるに過ぎない。