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ネオンよこちょうさつじんじけん

ネオン横丁殺人事件

海野 十三

線上閱讀海野 十三《ネオン横丁殺人事件(ネオンよこちょうさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,095 字 · 26 頁

青空文庫

あいつは、一個のネオン・サインの看板屋なんだが)

屋根裏のピストル。それに気になるのは、あの脅迫状の文句「寒い日にやっつける」ということ。

不図気がつくと、階下で男女が声高に争っている様子だ。

「だって、どうしても思い出せないのよオ」そう言って鼻声を出しているのは、先刻のナンバー・ワンのゆかりだった。

「あんたは、冗談を言っているんだ。よオ、あとでウンと奢ってやるから、早くそいつを出しとくれ」そういっているのは、まだ聞いたことのない若い男の声だった。

「冗談いってやしないのよ、本当なの。一平さん、ごめんなさい、ねえ」

おお、相手の若い男というのは、一平なのだ。帆村は階段の中途に突立って思わず声をあげるところだった。

「莫迦なやつだなア、貴様は、ううん」一平が苦しそうに呻った。なにか余程重大なものを、ゆかりに預けたのを彼女が無くしたものらしい。

「番頭さんによく訳を言って掛合うといいわ。あたしも、もうせん、あすこの店の質札をなくして困ったけれど、話をしたら、簡単に出してくれたわよ」

どうやらゆかりが無くしたのは、一平の質札らしい。なぜ質札みたいなものを、わざわざゆかりに預けたんだろう。