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ハイカラこう

ハイカラ考

木村 荘八

線上閱讀木村 荘八《ハイカラ考(ハイカラこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,649 字 · 16 頁

青空文庫

」

「ハイカラ」ははじめ多分に揶揄難評の言葉ではあっても、賞讃の意味は少しも含まない、生意気な、軽佻浮薄なものの代名詞として、明らかに悪意のあるワルクチに出発したものである。これがいつか一転して「洒落もの」の意味となり、これに対して追従憧憬の気分も徐々に加味されると共に、三転して、あまねく「新しいもの」を目指して云う言葉となり、その風俗となりながら「……社会上下を通じて、一般の流行語となれり。特に可笑しきは、小学の児童まで、何某はミットを持ちたればハイカラなり、外套を着たればハイカラなりなど言ふこと珍しからず。罪のなき奇語の、広く行はれしものかな。」――と、石井研堂氏は書いておられる。

今これを読むと、又々、この研堂氏の考証そのものが生きた文献となるのは、研堂氏の『明治事物起原』は明治四十年の上梓であるから、以上の文章は前数年のところで、誌されたとして、刻々に移り動く世相をそこに見ながら、「罪のなき奇語の、広くも行はれしものかな」と現在調に嘆じて、結ばれた。即ち明治三十年早々から明治四十年にかけて、この言葉が、盛んに転動しながら、澎湃とうごめくありようを、文献の陰に、目に見るようである。