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プロぶんがくのちゅうかんほうこく

プロ文学の中間報告

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《プロ文学の中間報告(プロぶんがくのちゅうかんほうこく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,591 字 · 7 頁

青空文庫

ないのは、誰の常識でも理解されると思う。

例えば増税、物価騰貴に対して大衆は、先ず否定的な感情をもたざるを得ず、その表現は自然否定的な形から入って行く。文学では近頃日本的なものが云々されているが、私たちが日本人であり、しかも最も日本語というものの内容表現と密接に結ばれている日本の作家である以上、どうして日本的なものを否定しよう。逆にいえば、日本的なるものの歴史性のあらわれを、身にひき添えて一番つよく感じているのはプロレタリア作家であるとさえいえる。日本的なものということが、それだけ抽象化され、今日の大衆生活の現実との関係では、現実のありようから着実な観察の眼を引離す方向でいわれはじめた場合に、無条件でそれに賛同するプロレタリア作家もなかろうではないか。プロレタリア文学が置かれている今日の事情は、その否定の先に明示すべきものを明示し得ない制約の下にある。これは永年の根気よいプロレタリア作家をもとめた大衆の力で解決されなければならない。

日本の左翼運動の歴史が実に若いこと、その消長の過程が日本独特な近代社会の成立の性質を反映していること等は、当然プロレタリア文学にも甚しく影響している。