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マルクスしゅぎはかがくにあらず

マルクス主義は科学にあらず

山川 健次郎

線上閱讀山川 健次郎《マルクス主義は科学にあらず(マルクスしゅぎはかがくにあらず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,878 字 · 10 頁

青空文庫

しこうして公理というのは――公理は英語ではアクシオムであって、公は公平の公、理は道理の理――これを言明するの辞の意味を理解する能力のある者は、この言明に同意せざるを得ないものを公理というのであるが、この公理を土台とした科学の例として数学をあげるのが最も適当である。数学の土台たる公理が十ばかりあるが、その一つに「部分は全体より小なり」というのがある。すなわち全体・部分・小と言う辞の意味がわかれば、この公理に同意せざるを得ない。また「同一のものが同時に二つの場所にあり得ない」というのがある。これも同一・同時、二つの場所という辞がわかれば、この言明に同意せざるを得ない。数学という科学はこの誰にも異存のない公理が土台となって、厳密な論理で処理せられ出来上ったもので、誰でもこれを否定し得ないのである。また土台が公理でない場合もある。力と物体の関係を言いあらわす運動の定律というのがある。これと引力の定律というのを土台とし、数学を応用して天体力学すなわち星学の一部を築き上げることが出来た。この二つの定律は公理的のものでない。すなわちこれらの定律を言明し、その辞の意味がわかれば誰でも肯定せざるを得ないものではないが、この二つの定律に反した事実がいまだかつて見出されんので、誰しもこの二つを公理同様の真理として扱かっても異論