輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ラしのふえ
ラ氏の笛
松永 延造
線上閱讀松永 延造《ラ氏の笛(ラしのふえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,706 字 · 18 頁
」というような話しを、さも羨まし相に物語るのだった。「神と一緒に悪魔を案出する程なら、その何方をも案出せぬ方が宜敷い。」
教会の青年はこの異国人の心持ちが了解出来ぬらしく、不可解な微笑を浮べながら、立ち上り、廊下に置いてあった花束の一つを取り出して、それをラオチャンドに与えようとした。
その拍子にラ氏はすかさず例の横笛を取り出して、私の制止をきかず、印度の古調の一節を吹いた。青年はその不思議な節回しに耳を傾けつゝ、何かしら自失したように、呆然と立っていた。
一節が終ると、ラ氏は直ぐその笛を青年の前へつきつけて、「プレイ、プレイ。」と重い音調で要求した。
「下手ですから……」と、青年は拒みかけた。
「それなら、花束も貰わない。」と、ラ氏は恐ろしく絶望的な表情をして呟いた。
この時、青年はラ氏の心全体を直覚的に理解して、驚きの眼を瞠った。そして白い小さな手を出して、横笛を取り上げた。
ラ氏は夢見るような奥深い眼で、青年の為す所を凝視していた。
青年は六つの指をそれ/″\の穴に当てがい、遂に決心して、笛の口を自分の唇へと接近せしめた。
「危い!」と、ラ氏は言った。