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さんにんのそうまだいさく

三人の相馬大作

直木 三十五

線上閱讀直木 三十五《三人の相馬大作(さんにんのそうまだいさく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,603 字 · 66 頁

青空文庫

赤湯から、大作様の跡をつけてきてるというのは、お前様かの、それが、本当なら、ただではおかんぞ」

上り口の人々が、一斉に

「そうだとも」

と、叫んだ。女狩は、少し蒼くなって

「違う。それは、違う。人違いじゃ。わしは、何も――」

「じゃ、早く、離れて行って、休まっしゃれ。おい、お春や、案内して上げな」

女狩は

(うかうかしていると、危いぞ)

と、思って、人々の間を、足早に、奥の方へ入って行った。

十三

女狩右源太は、ぼこぼこ土埃の立つ街道を、俯きながらゆるゆると歩いていた。足は、南部の方へ向いていたが心はそれと、一緒ではなかった。

(一体、俺は、何うしたならいいんだろう。このまま、何処まで、歩きつづけるのか? 歩いたならいいのか? 相馬大作は、この近くにいる。そして、俺と前後して、矢張り、この街道を歩いているかも知れぬ。俺が、馬で追っかけたなら、半日で追っつけるかもしれぬし、俺が、ここで待っていたなら、半日の内に、目の前へ通りかかるかもしれぬ――しかし――だ)

右源太は、そう思うと、昨日の宿での、大作の人気に、肌を寒くした。

(大作を召捕りに、江戸から出向いたものだと、一人に話したら、何うだろう。