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さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
線上閱讀海野 十三《三十年後の世界(さんじゅうねんごのせかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,140 字 · 137 頁
たびたび、あんなものが落下して来たのならそれがどんな仕掛のものであるか、どんなことをするものであるか。それが知れると思います」
「それは名案だ。さっそくきいてみるがいいが、そんなことが出来るのかね」
「それはできます。私とスミレ女史とで、この間から水棲魚人と、思っていることを話し合う研究を完成していますから、大丈夫です」
そこでカンノ博士とスミレ女史とは、装置をかついで、水棲魚人の大ぜい集まっている沼のところへ出かけた。正吉も、このことを聞いて、おじさんのモウリ博士といっしょに、一行に加わって行った。
その会見の光景は、ふしぎなものであったし、また記録すべきものであった。
人類と水棲魚人の頭脳の中におこる脳波をとらえて、装置が、相手に分るような脳波に直して、相手に伝えるのであった。だから、口をきかなくても、ただ、相手に聞きたいことを、頭の中で思うだけでその質問は相手に通じた。
相手の方でも、それをことばで返事を頭の中で思えば、それで通じるのであった。
水棲魚人は、人類よりもずっと劣等な生物だったから、こみいったことを返事することはできなかった。それだから、水棲魚人から返事をとることには成功したが、人間同士の話のようには、はっきり通じなかったのは、やむを得ない。