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さんしろう
三四郎
線上閱讀夏目 漱石《三四郎(さんしろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 169,765 字 · 343 頁
と答えた。「じっさい人間たる我々は、人間らしからざる行為動作を、どうしたって想像できるものじゃない。ただへたに書くから人間と思われないのじゃないですか」
小説家はそれで黙った。今度は博士がまた口をきいた。
「物理学者でも、ガリレオが寺院の釣りランプの一振動の時間が、振動の大小にかかわらず同じであることに気がついたり、ニュートンが林檎が引力で落ちるのを発見したりするのは、はじめから自然派ですね」
「そういう自然派なら、文学のほうでも結構でしょう。原口さん、絵のほうでも自然派がありますか」と野々宮さんが聞いた。
「あるとも。恐るべきクールベエというやつがいる。vrit vraie. なんでも事実でなければ承知しない。しかしそう猖獗を極めているものじゃない。ただ一派として存在を認められるだけさ。またそうでなくっちゃ困るからね。小説だって同じことだろう、ねえ君。やっぱりモローや、シャバンヌのようなのもいるはずだろうじゃないか」
「いるはずだ」と隣の小説家が答えた。
食後には卓上演説も何もなかった。ただ原口さんが、しきりに九段の上の銅像の悪口を言っていた。あんな銅像をむやみに立てられては、東京市民が迷惑する。