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あるくこと
三好十郎の仕事 第三巻
三好 十郎
線上閱讀三好 十郎《三好十郎の仕事 第三巻(あるくこと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,472 字 · 667 頁
その細い腰をしっかりと抱いた柳子の白い手が、ハッキリ遠くから見えるほどブルブルふるえている。……
須永がフルートの音を耳にとめ、椅子を立ってユックリそちらへ行き、板戸の前にチョッと立ってから、板戸をスッと開けて、そこの八人を認め、それから私の方を振返って見てから、ユックリと次ぎの室へ入って行く。眼は桃子を見ている。私の室は暗くなる)
12 次ぎの室
(そこに居る八人の人たちは、それまで板戸の隙間から洩れる光に沿って立っていたので、知らぬ間に、やや半円を描いた一列に並んでいる。それが一種の恐怖のようなもので動けなくなって、墓場から起き出して来た者を迎えるように須永を見迎える。ふだんのままであるのは桃子だけ。
須永は桃子に視線を向けて入って来るが、一同がだまりこんで並んでいるので少し気押され、いぶかるような、はにかむような態度で、ソロソロ歩き、並んだ順にユックリと眼を移して行く。
舟木、織子、省三、浮山、桃子、柳子、若宮、房代のそれぞれが、須永から見られて次々と各人各様の表情と態度を示す)
舟木 …………(眼をすえてジッと須永を見る。それはハッキリと医者の眼である)