輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《三浦老人昔話(みうらろうじんむかしばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,637 字 · 224 頁
」
わたくしは低い声で訊きました。
「左様でございます。」
外でも声を忍ばせて云いました。
「どうぞこちらへ。」
照之助は黙って竊と這入って来ましたので、わたくしは探りながらその手を把って、お居間の方へ案内してまいりました。照之助もなんだか顫えているようでしたが、わたくしは全く顫えまして、胸の動悸がおそろしいほどに高くなってまいりました。五位鷺がまた鳴いて通りました。
奥様はわたくしに琴を弾けと仰しゃいました。それは十兵衛の女房や、ほかの女中二人に油断させる為でございます。わたくしはあとの方に引き退って、紫縮緬の羽織の襟から抜け出したような照之助の白い頸筋を横目にみながら、おとなしく琴をひいて居りましたが、なんだか手の先がふるえて、琴爪が糸に付きませんでした。奥様は照之助と差向いで、芝居のお話などをしていらっしゃいました。
唯それだけのことでございます。全くそれだけのことでございました。それが物の半時とは経ちません中に、大変なことが出来いたしました。いつの間にどうして忍んで来たのか知りませんが、彼の稲瀬十兵衛が真先に立って、ほかの四人の侍や若党がこのお居間へつか/\と踏み込んでまいりました。