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じょうしゅうのこずとさんめい

上州の古図と山名

木暮 理太郎

線上閱讀木暮 理太郎《上州の古図と山名(じょうしゅうのこずとさんめい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,311 字 · 13 頁

青空文庫

と附記してあるのは、其事実なることを証しているようである。赤安山に就ては、同じく『新編会津風土記』に「二峰相並で東西に連る、上野国にては東の峰を北また山と云。西の峰を大江山と云。西の峰は戸倉村と頂を界ひ、東の峰は川俣村戸倉村と頂を界ふ」と説明してある。これは北また山が『上野国志』に「大江山の東南にあり、奥州にて赤安山と云」とあるので、「風土記」の編者が大江山の条と参照して、大江山も北また山も「奥州にて赤安山と云」とあるところから、之を東西の二峰に分けて記載したものではないかと想像される。唯如何なる根拠あってか、東の峰が川俣村と頂を界うと書いたので、事が一層面倒になって了った。

ところで偶然かは知らないが、実際に於ても赤安沢には二の水源があって、其源頭には二千米を超えた峰が東西に対峙しているから、『風土記』の文に従ってこの二峰を赤安山とすれば、東の峰即ち五万の図に赤安山とあるものは北また山に相当し、西の峰即ち袴腰山とあるものは大江山に当る訳である。しかし大江山は大江沢の源頭に在るのが正しく、赤安沢に関係のないこの山に、何か特別の事情なき限り、赤安山の名が命ぜらる可き筈のものではないし、反対にまた大江沢に関係のない袴腰山(所謂赤安山の西の峰)に大江山の名がある可き筈のものでもない。