輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
線上閱讀小林 多喜二《不在地主(ふざいじぬし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 69,990 字 · 141 頁
二階から表を見下すと、アーク燈のまばゆい氷のような光の下で、雪の広場はチカチカと凍てついていた。顎紐をかけた警官が、物々しく一列に延びて、入り損った聴衆を制止していた。丁度真下に、帽子の丸い上だけを見せて、点々と動いている黒い服が、クッキリ雪の広場に見えた。――所々に小競合が起って、そこだけが急に騒ぎ出して、群衆がハミ出してくる。警官が剣をおさえながら、そこへバラバラと走って行く。
二千人近くのものが帰りもしないで、ジリジリしていた。
「立ち止っちゃいかん。」
「固まると、いかん。」
「こら、こら!」
警官があちこちで同じことを繰りかえしていた。
群衆のしゃべったり、怒鳴り散らしたりしている声は、一かたまりに溶け合って聞える。時々鋭く際立ってそのなかから響くことがある。
――健は「有難かった!」有難い! 有難い! わけもなくその言葉が繰りかえされた。
寒気ていた。広場はギュンギュンなって――皆は絶えず足ぶみをしていた。下駄の歯の下で、ものの割れるような音をたてた。
演説会は最初から殺気立っていた。
「横暴なる彼等官憲……」
「中止!」
直ぐ入り代る。
「資本家の番犬……」