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『せっかずせつ』のけんきゅう

中谷宇吉郎集 第二巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第二巻(『せっかずせつ』のけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 83,098 字 · 172 頁

青空文庫

分り切ったことで、今までそれがあまり問題にならなかった方が不思議なのである。そういえば子供の頃に燐寸を粗末にしてはいけないということをやかましくいわれたことを思い出したが、何でも一本の燐寸はお米十七粒とか二十七粒とかなのだから大切にしなければならないと教えられたものであった。そういうことはなかなか忘れられないものである。一時、銀座の街頭を歩くと無闇と燐寸をくれたり、喫茶店などの入口に山のように燐寸を積んで置いて誰でも持って行ってよいようにしてあったが、ああいう光景を祖母などに見せたら何というだろうかと思ってみたこともあった。もっともマッチに税金がかかることになれば、この日本独特の風景ももう見られなくなるであろう。燐寸の軸木に用いる木はかなり限定された種類のものときいている。日本中で毎年燐寸の材料に用いられる木材の量がどれだけにのぼるかはよく知らないが、相当大変な量になっているのであろう。そしてその半分位は全く不必要に消耗されているのではないかという気もする。日本人が皆、普通の西洋人程度にでも燐寸を大切にするような習慣になったら確かにその使用量は半分位になるであろう。