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『ケプロン・くろだのこうそう』について

中谷宇吉郎集 第八巻

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《中谷宇吉郎集 第八巻(『ケプロン・くろだのこうそう』について)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 85,890 字 · 178 頁

青空文庫

選抜試験というのは、どんなに成績がよくて、入学資格は十分ある学生でも、外にもっとできる学生がいたら、落第させてしまうという残酷な制度のことである。アメリカには、医学関係を除いては、こういう制度は、まずないといっていい。医学の方は、医師会の強力な統制が効いているためで、これはまた別の問題である。

何故入学試験(選抜試験)がないかというと、官立と私立とでは、その理由がちがう。官立では、話がきわめてはっきりしている。官立の学校の費用は、全部税金で賄われている。教授の月給ももちろん税金から支払われる。学校は納税者のものなのである。その子弟が、自分の家へはいって行くのに、教授とか学長とかいう召使が、それを阻止する理由はない。これが民主主義なのである。学生のストライキがないのも、同じ理由による。大学は納税者のものであるが、学生の父兄だけの税金で賄っているのではない。他の納税者にも負担をかけているわけであるから、そういう税金を空費する行動は許されない。「国民の名において」許されないわけである。教育の内容が気に入らなければ、他の大学へ行けばよい。そこにも入学試験はない。